第8章 メンバーが揃う
夜の宴は深夜まで続いた。海外からの訪問四人も参加して、よしきとぐんさんが相手をしてくれて盛り上がり、女性は10時第過ぎるとお肌の為と言い退散した。
『まお!おきらんか!』と、いつもの朝が祖母も声で始まる。
『ねえ!ばあちゃん、今日は食欲ないから食べたくない。』と、私は祖母に甘えて1日のスタートを切る。
『食べないと良いアイディアが浮かばんとぞ!サラダと卵料理だけでも食べなさい。』と、祖母は優しく私の前に自慢の卵料理が盛り付けされたウエッジウッジの皿を置く。
私はコーヒーを飲みながら、窓から見える川を見るのが大好き。祖母は私の我儘がお気に入りで、この程度の孫の行動は可愛くて仕方ないようだ。孫ならではの特権で、母だとこうはいかない。
『ね!ママは日本に帰国してるかな?』
『今日辺りは帰ってくるかもね。部屋は綺麗に掃除しときなさい。また、うるさいよ!』
『ばあちゃん!この卵美味しいよ。』と、笑顔で祖母に答える。
よしきがやって来た。
『おはようございます!おばあちゃん、僕お味噌汁は大盛りでお願いします。おばあちゃんの自家製味噌の味が恋しかった。おー!まお、まだ眠ってる顔だね。ところでさ、挨拶したけど彼らはいい奴だね。』
『父の集めたメンバーだからね。おそらく元特殊部隊の人達だよ。』
『良いね!まるで映画の世界だよ。彼らは訓練された身のこなしだし、きっと、武道の達人なんだろうね。』
『身のこなしって?なぜ分かったの?』と、よしきには似合わない真面目な顔で話すので追求した。
『俺ら海外に行くと、悪い奴らに絡まれる事があるんだよね。護身術は必要で、海外でもジムで鍛えてるんだよ。身のこなしって言うか、殺気のような空気が違うんだよね。』
『ヤマトは違うでしょ?』
『いや!彼も?凡人じゃない空気を感じる。大学で研究しているだけのひ弱な真面目君じゃない!』
『よしきも海外でいろんな経験してるんだね。なんか大人の空気を感じる。』と、ちょっとからかいながら答えた。
『まお!今から町に買い物に行ってくるから!朝ごはんの準備はできてるからお願いね。』と、祖母はお洒落をして祖父が待つ車の方へ。
『おばあちゃんはメイクすると都会の人だね。畑仕事する時とのギャップが良いね。』
『よく動くから太らないし!悩みがないからストレスも無いみたい!』と、私はよしきとコーヒータイムをたのしむ。
『川の工事をしてるんだね!工事の人、のんびりと動いてるね。まるで時間が止まってるね。』と言って笑い出す。
『いつ工事してるんだろ!って思う。全く動いてない時の方が多いよ!』と、私が話しているとぐんさんがやって来た。
『川って歴史の基礎だよね。文化が発祥する命の源で、お国柄が川を見ると分かるよね。』
『ぐんさんは博学ね!』と、私はうっとりとした表情で言う。
『俺は夙川生まれで綺麗な街で好きだけど、もっと田舎に住みたくなってきたよ。洗練された建物に囲まれていると疲れを感じる。俺も歳をとったかな!』
『ぐんさん、ここは病院が少ないよ。誰か金持ちの医者いない?病院を建てて欲しい。腕が良い医者を揃えて、都会の富裕層へ来てもらうの。』と、私は叶えば良いと思うことを話す。
『まずは、名所をつくらないと!』と、よしきは興奮して話に参加する。
『五島は沖縄と違う四季の美しさが魅力なんだけど、観光の名所になってほしく無いよね。それより、本当の旅好きや田舎で癒されたい都会の人へ来て欲しいよ。』
『ぐんさん!たとえお金があっても経営が成り立つことが一番大事で、私達の仕事もみんなが不満言わないからここまで来たんだよね。みんなに感謝してるの。』と、現実に戻り私は言った。
『お!まおが感謝してる。だけど、販路を開拓して方針決めてるのはまおだからね。俺たちにはできない。いずれ俺らは親の後を継ぐ身だから気にすんな。』と、よしきは真面目に答える。
『そ!真面目になったからよしきの親も感謝してる。気にすんな。』と、ぐんさんは笑ってよしきに言う。
『まおは真面目に不良するから、貴重な存在だよ。まりあが一番大変だった時、まおが俺らの前に現れたから救われたよな。』と、ぐんさんが話し出した。
『ただ、音楽が好きなだけだよ。そこに不良が集まる。ファッションが好きでお洒落な女の子を研究するのが好きなだけ。まりあは目立っていたから。あなた達も!』
『あの頃のまおは東京から来た女の子!のファッションで、関西の女の子とは違って目立ってて、キラキラした目をして話しかけてくるんだもん。』
『中学生?高校生の何年生?だっけ。懐かしいよね。』と、ぐんさんとよしきが話す。
『踊りがめちゃうまくて、顔と違って大人びててさ!』
『空気が違うんだよね!まお!俺と最初に話したこと覚えてる?』と、よしきが尋ねる。
『多分?音楽が良い!と、言ったのかな?』と、私は首を傾げた。
『当たり!選曲がセンス良いですね。!って、まおが俺に言うから、恥ずかしくなったよ。』
『よしきに話してホテルに帰ったんだよね。』
『そ!じゃ、また!って、言って挨拶して帰るんだよね。あの時大人の人と来ていたよね。』と、ぐんさんが言う。
『あの時は父の取引先のメーカーさんと一緒だったと思う。海外から来た人もいたんじゃないかな。』
『まおは一人で踊っていたんだよね。勇気ある!と、まじ驚いた。』と、よしきは笑いながら言った。
そこにやっとまりあが起きてきた。
『おはよー!なになに?まおの第一印象?強敵あらわる!って刺激的だった。』
『俺は恋に落ちたよ!』と、よしきは大袈裟に言う。
『私もまおに心奪われた!反抗して嫌な自分にどうしていいかわかんない時に、強い人が目の前に現れて驚いた。恋に落ちたよー。』と、まりあは言ってまおに抱きついた。
『俺もー!』と、ぐんさんも参加する。久しぶりの集合、慣れてはいるけどみんな揃うと安心する。五島の友達とは違う信頼出来る仲間。そして仕事仲間で稼いでいる仲間。
よしきとぐんさんは二人で売れるものを開拓している。日本のお酒を紹介したり、ネットショップ以外の仕事も掛け持ちして稼いでいる。
まりあはファッションを担当して、2~3ヶ月滞在し海外の知り合いからの情報を集めて活動する。
『今回は慌てた!二人が捕まって!まおのお父さんの知り合いって世界各国にいるから凄い!権力者なのか今回も即釈放になって驚いた。トラブルになっても心強い。』と、まりあがイタリアでの事件を話す。
『結局?なんだったの?日本領事館と知り合いに父は電話していた。今父はその件もありイタリアに行ってる。お礼も兼ねて会いに行ってる。』
『俺らは身なりもちゃんとした真面目な日本人!紳士なんだけどね。被害に遭っても、悪いことはしてない!』と、よしきは怒りながら私に説明する。
『よしき!心当たりはないの?』と、真面目に質問すると!
『間違い逮捕!』と、強く反論してよしきは頷く。
『今回はイタリアだけだし、夜も遊んでないし、心当たりがないんだよね。だけど、無事に終わって良かった。』と、ぐんさんは安堵した顔で言う。
『知らせを聞いて心配して、イタリアへの飛行機の予約をする時ちょっと怖かった。』と、マリアも安堵した顔で言う。
『今年もインド綿は好調で利益を出しているから、のんびりして。実家に帰ってご両親に親孝行して!』と、三人に感謝した。
5年前の夏、父と一緒に仕入れに行き三人と出会った。他にも何人か一緒に遊んだが、この三人は特別だった。
『両親が離婚するの。毎日喧嘩ばかりするから、離婚してもらってもいいかな。私、おばあちゃまの所に行こうと思う。』と、まりあは悲しげな顔で私に告白した。
『私のとこも、両親はしょっ中海外へ仕入れに行くからちっちゃな頃は寂しかった。でも祖父と祖母がそばにいるから大丈かな。友達もいるから!』と、まりあに言うと、まりあは泣き出した。
『今一番そばにいて欲しいのに離婚するんだもん。』と、まりあは泣きじゃくる。

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