第7章 久々の再会
帰国した三人は月ちゃんとメールの対応に取り掛かる。
『久しぶり!まりあちゃんお帰りなさい。』と、二人はハグをして喜ぶ。
『月ちゃん俺らにもハグしてよ!寂しかったんだから。五島の海の香りが恋しくて急いで帰ってきたよ。』と、ぐんさんとよしきとハグをする。
『納期のチェックもやってくれてる!月ちゃん愛してるよ。』
『よしきはこまめに指示をしてくれるから解りやすいよ。』と、月ちゃんが言うとよしきは右手でグーサインをして喜んだ。
『僕はこまめじゃない?』
『ぐんさんは。。。。』と、言うとぐんさんは首を傾げて口を尖らせる。一番ぐんさんがムードメーカーで明るい。月ちゃんとぐんさんは仲良し。
『月ちゃんの頑張りに感謝!まおのフォローありがとう。お土産だよ!』と、ピアスを渡すまりあ。
『前からこういうのが欲しかったんだ!ありがとう。どうしてわかったの?』
『まおに聞いたの!月ちゃんがピアスを探している事。この工房は日本未入荷で華奢な細工が特徴なの。天然石を使った指輪が最高なの。サイズ展開が難しいから仕入れて無い。』と、まりあが言うと男たちもピアスの側に集まる。
『打ち合わせが終わったら、食事にしょう。まおは外出してるの?』と、ぐんさんはリーダーとしての指揮を取る。
『まおはお婆ちゃんのお手伝いで近所に行ってる。お婆ちゃんは食材の買い出しに行ってる。』
『だからまおは電話しても出ないんだ。』
月ちゃんはコーヒーの用意を始めた。三人は海外と日本に住み家を持ち、日本にいるときは五島のまおの家に下宿している。
まりあは福岡に実家がある。ぐんさんとよしきは関西の芦屋に実家があり二人は幼馴染。まおと三人は福岡の大学で友達になり、学生の時にネットショップを始めた。
海外生活経験が共通で、四人は個性が強い。そこに月ちゃんの様に海外に行った事がない田舎の友人が入る事でバランスが取れている。会社の組織体制に縛られない学生気分を保っている。
『わー!お帰りなさい。会いたかった!』と、まおが帰ってきてまりあに抱きついた。
『イタリアの事件が無ければ、収穫がある旅だったよ。』と、ぐんさんが落ち着いて話す。
『おじさんの知り合いの弁護士さんが権力あるのか早く片付いたよ。』
『よしきが違法薬物を所持していたのがバレて捕まったと心配していたの。』と、問題児のよしきに言う。
『卒業したよ。今回は真面目に商談ばかりしていたから参ったよ。理由がわからずに捕まるから!』
『笑い話になって良かったよ!おじさんの顔の広さには驚いたね。イタリアンマフィアのような貫禄がある弁護士だったね。』と、ぐんさんが言うと二人がうなづく。
『仕事の報告は明日ね!今夜は久しぶりに五島の刺身を食べてね。疲れてるでしょ!部屋に戻ってシャワー入って休んでて。』と、まおが言うと三人は部屋に戻る。
『まお!ピアスを見て!気に入った、これお洒落よね。』
『月ちゃんに似合ってる。まりあはセンス良いよね。』と、二人は鏡で付けてみる。
夕方になると祖母は張り切って料理を作る。祖父も一緒に魚を捌いて台所は賑やか。
『まお!外人さん達に料理を運ぶの手伝ってね。』
『ばあちゃん!今日は家で食べるって?』
『刺身が食べたいって言って、じいちゃんが用意してる。飲み物は自分達で買ってくるように伝えてるから。』と、祖母はテキパキと張り切っている。
祖父は焼物の準備に取り掛かってる。外で炭火の準備を楽しそうに!祖父の友人も遊びに来て騒がしくなってる。
畑で採れた新玉ねぎや、キャベツ、冷凍のイカなど差し入れが沢山。ビールで始まり焼酎を飲みながら焼き魚の周りで騒いでる。
『よしき!イタリアは景気はどうね!』と、祖父の友人のケイおじさんが側に近寄るよしきに言う。タンカーに乗っていたおじさんはイタリアには何度も行って、海外の話をするのが大好き。
『おじさん!お元気でしたか?イタリアはコロナからだいぶ景気戻りましたよ。』
『焼き魚!イカも焼いてる!醤油で食べたい。』と、ぐんさんは大騒ぎ。
東京銀座で宝飾業をしている順おじさんがまりあに、世界の市場を話し出した。
『まりあ、世界はどうね?』
五島はサンゴで有名!サンゴの宝飾で成功したおじさんは五島と東京を行き来しながら過ごしている。
『こっちに来て食べたら良い!』と、祖母がおにぎりを大皿いっぱいに作ってきた。
『今日は三人組が帰国して賑やかね!』と、祖父が嬉しそうに言う。
『ばあちゃん!外人さん達も呼ぼうか?』と、ビールを飲んで真っ赤になって言うと、横にいた月ちゃんも一緒にうなづく。
『ばあちゃんが言うと喜ぶよ。』と、さらに続けた。うなづいて祖母は電する。
『お帰りなさい!チームの皆さん。会いたかったよー!』と、私は三人の顔を見て安心した。
『愛しい人!元気だったかい。会わない間に又綺麗になってるね。浮気でもした?』と、ぐんさんがビールを飲みながらまおに言う。
『イタリア人になったの?私はいつもと変わらないわよー。』
『いや!何か違うぞ。ヤマトとかいう男の影響かな?どこいるの?呼んできたら。』
『ぐんさん!』
『俺とどっちが好き?どっちがかっこいい?』
『ぐんさん!怒るわよ!』
『まおは良い男に囲まれているから目が肥えて好きにならないから!そいつは?どんなタイプ?』
『ぐんさん!』
『まお!じゃ、俺とよしきとどっちが好き?』
『ん?答えなきゃダメ?みんながいる前で?』
『お!まおが答えるぞ。よしき!』
『二人のどちらかを選ぶんでしょ?女性を泣かしている遊び人の二人のどちらか選ばなきゃいけない。それじゃー、恋人にするならよしき!一緒に趣味を楽しめて退屈しないから。』
『やったー!わかっていたよ、まおの俺への気持ち。』と、よしきは盛り上げる。
『でも旦那様にするならぐんさん。見た目と違って亭主関白でもないし、自由にしてくれて家事も手伝い料理が上手、そして資産運用が得意で頼り甲斐がある。』
そこにまりあと月ちゃんが参加してくる。
『まおと同じ意見!』と、女性三人は笑う。
『本当にこの二人は良い男なんだよね。海外でモテるのよね!何処が良いのか?』と、まりあは二人を見ながら首を傾げた。
『二人は都会の人のイメージ!五島には似合わない。歳を取ったら何処に落ち着くの?』と、月ちゃんも首を傾げる。
『昔は南の島だったけど、五島に頻繁に来出してから変わった!イタリアやポルトガルの田舎に行くと五島に帰りたくなる。』と、よしきが言うとぐんさんも頷く。
『二人は都会育ちだから故郷が無いんだよ。実家に帰っても両親は都会育ちで畑なんてやってない。庭が広くても眺めるだけだよ。お袋は梅干しとか手作りを楽しんでるけど、こことは違うかな。』
『ここに土地を買って住みたいと良く二人で話しているよ!』と、ぐんさんの話が終わるとよしきは珍しく真剣に言った。
『それって、私に二人がプロポーズをしてるって事?』と、私が話をまとめた。
側でおじさんたちがお酒を飲みながら聴いて笑っている。
『まおはファザコンだから理想が高いよね!』と、まりあが言うと月ちゃんも頷く。
『おじさんはカッコ良いもんね。田舎に珍しい紳士。それに明るくて頭良いのにみんなに気さくに話して、珍しい存在だよね。』と、月ちゃんは日頃よく相談するので父をほめる。
『娘は自由人で女には勿体無い!先見の目があるとこは尊敬する。あまり手を広げないとこも立派だよね。』とよしきが褒め出す。
『明日の打ち合わせは厳しくするからね!見てらっしゃい。』と、私は膨れっ面になりながら腕組みをした。
そこにヤマトが車に乗って帰ってきた。海岸線をカメラに納めたいと出掛けていた。
続きを読む: 虹をつかもう/第7章久々の再会
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